本のクソ虫野郎

  ~気に入った本・映画の記録と雑記~
Posted by ↑野

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文学の意義


文学というものを、役に立たない単なる暇つぶしのエンタメだと思っている人は案外多いようですが、僕は個人的に、文学は大いに役立ち得るし、非常に意義のあるものだと考える。

そりゃ、何の教訓も箴言も、役立ちそうな何らかの要素をも、全く見出せないような真の単純娯楽的なものも中にはたくさんあるかもしれないが、それは、人間の中には悪い奴もいるから人類全員悪い奴だ!って言ってるようなもの。

文学の多くは、登場人物やその言動、情景描写、その他様々な出来事を作り出し、その物語によって、何かの思想や、思索の言わば材料を与えるものだと思う。そしてその箴言や思想は、たんに論文的に説明されるのではなく、物語として直接的・間接的に語られることで、より一層読者の心に焼き付けられ、記憶に入り込みやすく、その意味を理解しやすくなるという利点が存在する。

ダニエル・ピンクの著作の中にも、物事の習得や他者への説得における、ストーリーテリングの応用の有効性が謳われていましたしね。

もちろんそれは作品による。読者を選ぶような難解な文学もあれば、上記のような、後に何も残らない単なる娯楽以外に考えられないような作品もあるだろう。しかし、多くの文学は、古典的なものであれ、現代的なものであれ、役に立たないものでは決してなく、時に人の人生を変えてしまうような感動・教訓さえ与え得る。

フィクションの中の人物や出来事に没頭して感じるその経験自体は、架空のものであるが、そこから何かを引き出し、現実の世界で、内心や行動に何らかの影響を得たのならば、それは実質的に架空のものでなくなる。

そして、物事や学問全てにおいて実利性を求めること自体もまた誤っているのかもしれない。無用の長物の有用性を考えても、単なる娯楽にも、一過性であれ精神的快楽が存していることを考えても、役に立たないものがそれほど人生にとって悪いことか。悪いと言える人は、当然、自分自身は毎日一分一秒をも犠牲にすることなく、実利性に基づいた生き方をしているとでもいうのだろうか。

無用の長物に関して寛容になることが、その社会の文化文明を進展させるということは、文系理系に関わらず、多くの著名な学者の言明に多く見られ、また、ルネサンスを初めとした歴史的事象が証明している。

以上のことによって、文学には意義があり、盲目的にそれを否定するとき、残念ながら、その人は自身の思考力の弱さと、教養の無さと、羞恥心の欠如の程を、自ら証明することに終わってしまうと言える。

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